「Web3ウォレットって難しそう」「暗号資産を持つ前に、まず仕組みに慣れておきたい」——そんな入口の不安をやわらげてくれるのが、大阪・関西万博の公式アプリを引き継いで生まれ変わったウォレットアプリ「HashPort Wallet(ハッシュポートウォレット)」です。日本語で使えて、メールアドレスだけで登録でき、ブロックチェーン利用時のガス代(手数料)も一部を運営会社が負担してくれるため、初めての一台として選びやすい設計になっています。
この記事では、HashPort Walletがどんなアプリなのかという基本から、できること、始め方、JPYCやPontaポイントとの組み合わせ方、そして無理なくお得に使うためのポイントまでをまとめて紹介します。
HashPort Walletってどんなアプリ?
「HashPort Wallet」は、株式会社HashPort(HashPort Inc.)が提供する、スマートフォン向けのWeb3ウォレットアプリです。暗号資産やステーブルコイン、NFTなどのデジタル資産を、ひとつのアプリでまとめて管理できます。2025年10月31日に、大阪・関西万博で約100万人が利用した「EXPO2025デジタルウォレット」からリニューアルされ、万博で受け取ったNFTやSBT(譲渡できない証明書型のトークン)も、アップデートするだけでそのまま引き継げるようになりました。
ウォレットの仕組みは「ノンカストディアル型」です。これは、資産にアクセスするための鍵を運営会社ではなく利用者自身が持つ方式のこと。取引所のように会社へ資産を預けるのではなく、自分のお財布を自分で持つイメージなので、Web3の基本的な考え方を体験しながら学べるのが魅力です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アプリ名 | HashPort Wallet |
| ジャンル | Web3ウォレット・デジタル資産管理 |
| 提供元 | HashPort Inc. |
| 対応OS | iOS / Android |
| 料金 | 無料でダウンロード(ガス代などは操作内容により発生) |
| 登録方法 | メールアドレスで新規登録(既存ユーザーはアップデートで引き継ぎ) |
| 主な対応 | JPYC・USDC、Ponta連携、NFT・SBT管理、DeFi接続 |
| 対応通貨 | 500種類以上(ストア掲載情報) |
万博アプリとして始まった背景があるため、画面はスマホ初心者にも分かりやすく整理されています。ホームには総資産、キャンペーン、外部サービスへの入口が並び、下部のタブから「トークン」「ウォレット」「DApps」へ切り替えられる作りです。

HashPort Walletでできること
HashPort Walletは、単に資産を置いておくだけの「保管庫」ではありません。日常のお金まわりに近い機能がひととおり揃っています。
1. 暗号資産・ステーブルコインの保管と送受信 Ethereum、Polygon、Base、BNB Chain、Avalanche、Arbitrum、Aptosといった主要チェーンに対応しており、500種類を超える通貨を扱えます。ウォレットは1アカウントで複数作成でき、「日常の支払い用」「長く持つ用」「試してみる用」のように用途を分けて整理できます。
2. JPYC・USDCの利用 日本円と1対1で連動するステーブルコインの「JPYC」と、米ドルと連動する「USDC」に対応しています。価格が上下しにくいため、Web3の送金や支払いを試す最初の一歩に向いています。JPYC公式が推奨するウォレットのひとつとしても紹介されており、JPYC EXとはWalletConnectでつなげます。
3. Pontaポイントとの連携 2025年12月から、Pontaポイントをデジタル資産に交換できる「オンランプ」、デジタル資産をau PAYギフトカードに交換できる「オフランプ」が始まりました。普段のお買い物で貯まったポイントを、そのままWeb3の世界へ持ち込める点は、国内の他のウォレットにはあまりない特徴です。
4. 分散型取引所(DEX)やDeFiへの接続 アプリ内の「DApps」から、スワップ(通貨の交換)ができるKana Labsや、レンディング(資産を預けて報酬を得る仕組み)が使えるKilnにつなげます。2026年2月にはKilnとの連携が始まり、アプリの中からステーブルコインなどを預ける運用が体験できるようになりました。
5. NFT・SBTの管理 万博で入手したNFTやSBTを表示・管理できます。SBTは活動や実績の証明として使われるトークンで、2026年2月には、SBTを使ったロイヤリティプログラムも始まっており、記念品にとどまらない使い道が広がりつつあります。
6. ステーブルコインでの支払い 2026年1月のアップデートで、JPYCなどのステーブルコインを使った支払いに対応しました。実店舗での決済実証も各地で始まっており、「持つだけ」から「使う」へと用途が広がっています。

ガス代サポートが初心者にやさしい理由
従来のウォレットでは、送金やスワップのたびに「ガス代」と呼ばれるネットワーク手数料が必要で、そのための通貨を先に用意しなければならないことが、初心者にとって大きなハードルでした。HashPort Walletでは、利用者の月間ガス代の一部をHashPortが負担する仕組みを用意しています。
さらに、外部接続先のKana Labsでは、HashPort Walletを使った取引でスワップ手数料が0円に設定されている案内があり、ガス代サポートと組み合わせることで、実質的なコストを抑えて交換を試せます。まずは少額で操作の流れを体験したい人にとって、これは心強い後押しです。
なお、サポートの対象範囲や月間の上限、スワップ時のDEX手数料などは、時期や操作内容によって変わる場合があります。実行前の確認画面に手数料の見積もりが表示されるので、送信前にひと目チェックする習慣をつけておくと、より安心して使えます。
HashPort Walletの始め方
登録はとてもシンプルで、本人確認書類の提出(KYC)は不要です。
- 各ストアの検索欄に「HashPort Wallet」と入力し、提供元が「HashPort Inc.」になっているアプリをインストールする
- アプリを起動して「新規登録」を選び、メールアドレスを入力して届いた認証コードを入力する
- パスコードを設定する(顔認証・指紋認証もあとから設定できる)
- ウォレットが作成されたら、ホーム画面の見方を確認する
EXPO2025デジタルウォレットを使っていた人は、新規インストールの必要はありません。アプリを最新版にアップデートしてログインするだけで、資産やNFT・SBTが引き継がれます。
はじめて触るときのおすすめは、いきなり大きな金額を動かさず、次の順番で慣れていく方法です。
1. ホーム画面と3つのタブ(トークン・ウォレット・DApps)を眺めて、何がどこにあるかを把握する 2. 受け取り画面でウォレットアドレスやQRコードの表示を確認する 3. 少額のJPYCなどを受け取り、残高が反映される流れを体験する 4. 慣れてきたら、Pontaポイントのオンランプやスワップを試す
JPYCを使うならここがおすすめ
日本円とほぼ同じ感覚で扱えるJPYCは、HashPort Walletと相性のよい通貨です。流れはおおまかに次のとおりです。
- ブラウザでJPYC EXを開き、ウォレットアドレスの登録画面で「WalletConnect」を選ぶ
- 検索欄で「HashPort Wallet」を選び、アプリ側で接続を承認する
- 接続が完了するとウォレットアドレスが自動で登録され、JPYCを受け取れるようになる
スマホ1台でも、PCのブラウザとスマホアプリの組み合わせでも接続できます。受け取ったJPYCは、そのまま送金に使ったり、Kana LabsでUSDCなど別の通貨に交換したりできます。日本円ベースで考えられるので、「今いくら分持っているのか」が直感的に分かるのも、初心者にやさしいポイントです。
お得に使うためのポイントまとめ
HashPort Walletはアプリ自体の利用が無料です。そのうえで、次の仕組みを知っておくと、無理なく、かつお得にWeb3を体験できます。
ガス代サポートを活かす 月間ガス代の一部をHashPortが負担してくれるため、少額の送金やスワップの試し打ちがしやすくなっています。最初の数回は、この枠の中で操作を覚えるのが賢い使い方です。
Pontaポイントを活用する 日常のお買い物で貯めたPontaポイントを、オンランプでデジタル資産へ交換できます。現金を入金しなくても、貯まっているポイントの一部から気軽に始められるのは大きな魅力です。アプリのホーム画面には交換可能なポイント数も表示されます。
Web3クイズで楽しみながら参加する ホーム画面の「Web3クイズ」は、毎日挑戦できる山分け形式の企画です。用語や仕組みをクイズで学べるので、勉強しながら参加できます。
キャンペーンをこまめにチェックする 利用者限定のキャンペーンが随時開催されると、ストアの案内にも記載されています。ホームのバナーやお知らせをときどき確認して、お得な企画を逃さないようにしましょう。
Kana Labsのスワップ手数料0円を試す 外部接続先のKana Labsでは、HashPort Walletを使った交換でスワップ手数料が0円になる案内があります。JPYCからUSDCへの交換など、少額で試してみる価値があります。

安心して使うための習慣
ノンカストディアルウォレットは、自分で資産を守るぶん、自由度が高いサービスです。次の習慣を身につけておくと、安心して長く使えます。
- 公式のストアからインストールし、提供元が「HashPort Inc.」(Google Playでは「HASHPORT INC.」表記)であることを確認する
- SNSやメッセージで届いたURLからのインストールや接続は避け、公式サイトから辿る
- パスコードやリカバリー情報は、他人に見られない場所に控えておく
- 初めての送金は、まず少額でテストしてから本番の金額を送る
- 送金前に、宛先アドレスとネットワーク(チェーン)が合っているかを必ず確認する
- 外部のDAppsへ接続するときは、公式サイトのURLかどうかを確かめる
- アプリの自動更新をオンにして、常に最新の状態を保つ
この「少額でテスト」「宛先とネットワークの確認」の2つだけでも徹底すれば、初心者がつまずきやすい場面の多くを避けられます。
利用者の評価と口コミ
App Storeでは、評価3.8(約1,400件のレビュー)となっています。口コミでは、「メールアドレスだけで始められた」「万博のアプリからそのまま引き継げて便利」「ガス代を気にせず試せる」「日本語で分かりやすい」といった、初心者向けの作りを評価する声が目立ちます。
また、慣れるにつれて使いやすくなるという声も多く、アップデートで機能が増えているアプリなので、最初は基本機能に絞って触り、少しずつ使える範囲を広げていくのがおすすめです。
どんな人におすすめ?
- 万博でEXPO2025デジタルウォレットを使っていて、NFTやSBTを残しておきたい人
- JPYCやUSDCを送金・支払いに使ってみたい人
- Pontaポイントやau PAYを、デジタル資産と結びつけて活用したい人
- 「ガス代の準備が面倒」という理由でWeb3に踏み出せていなかった人
- 日本語のサポートとヘルプセンターがそろった、国内企業運営のウォレットを探している人
- 少額からDeFiやレンディングの仕組みを体験してみたい人
よくある質問
Q. 使うのに本人確認は必要ですか? A. 新規登録はメールアドレスで進められ、本人確認書類の提出は不要です。ただし、JPYC EXなど外部のサービスを利用するときは、そちらの手続きが必要になる場合があります。
Q. 万博のアプリを使っていましたが、新規登録が必要ですか? A. 必要ありません。アプリを最新版にアップデートしてログインすれば、資産やNFT・SBTがそのまま引き継がれます。
Q. アプリの利用料はかかりますか? A. アプリのダウンロードと利用は無料です。送金やスワップなどのブロックチェーン操作では、内容によってガス代や手数料が発生することがありますが、月間ガス代の一部はHashPortが負担してくれます。
Q. iPhoneでもAndroidでも使えますか? A. iOS・Android両方に対応しています。それぞれのストアで「HashPort Wallet」と検索してください。
Q. 複数のウォレットを作れますか? A. 1つのアカウントで複数のウォレットを作成できます。日常用と保管用に分けるなど、目的別に整理して使えます。
Q. 暗号資産は元本が保証されますか? A. 暗号資産やレンディングは値動きや仕組み上のリスクがあり、元本が保証されるものではありません。無理のない少額から、自分で内容を理解したうえで利用しましょう。
まとめ
「HashPort Wallet」は、万博で約100万人に使われたウォレットの実績を土台に、JPYC・USDC、Pontaポイント、レンディング、実店舗での支払いへと使い道を広げている、日本語対応のWeb3ウォレットです。メールアドレスだけで始められ、月間ガス代の一部をサポートしてもらえるため、暗号資産に触れたことがない人が最初に選ぶ一台として頼りになります。
まずはアプリをインストールして、ホーム画面を眺めるところから始めてみてください。慣れてきたら、少額のJPYCやPontaポイントの交換で「持つ」から「使う」へ。自分のペースで、Web3の入り口を楽しんでみましょう。

